「あ・・・美雪」

「あっ、あの私っ!用事思い出したから帰るね!!じゃっ!!」


涼太の言葉を遮り、急いで教室を飛び出た。

あふれ出てきた涙をぐっと拭い、下駄箱へ走る。





美雪が飛び出していった教室に残された4人。

みんな視線を涼太に向ける。

『ケンカしたなら早く仲直りしなよ』 誰もしゃべっていないのに、そう言っているようだった。


しかし涼太は周りの視線など気にせず、大地に詰め寄っていた。



「何のマネだ?」

「あ?」

「美雪に対する態度、いつもと違ってただろ?」

「あぁ、そっちのほうが美雪にとっていいと思ってな。」

「どういうことだよ?」

「俺がいつも通り接したら、美雪の彼氏が見てて楽しくないだろ?な、涼太」