やきもち悪魔

「・・・っ、美雪!」

とぼとぼと歩いていた美雪の肩がビクッと揺れ、すぐに両手が頭の上に置かれた。

どうしたんだろう?
俺のせいで頭でも痛くなったのか?

その格好のまま振り向いた美雪の瞳からは大きな涙が次から次へと溢れていた。


「悪ぃ・・・俺・・」

「ツノ!」

「え?」

「見たんでしょ?私のツノ。」

「ツノ・・・?」

「涼太が昨日教えてくれてたんだから。嫉妬して醜い心になった人には、
頭にツノが生えてくるんだって。
大地は私のツノ見ちゃったんでしょ?」

「美雪・・・」


涙で顔がぐちゃぐちゃになっていく美雪がかわいくて。

俺のために泣いてる美雪が愛しくて。

たまらず抱きしめた。