その足音が自分の前で止まる。あたしが自分の靴をそろえ、顔を上げてみると、目の前には、あたしより少し背が高いくらいの女の子が立っている。
――か、可愛い!
あたしは妹さんを見てそう思った。彼女の目は、三田君にそっくりでパッチリと大きく、あたしを見てニコッとした。
『お兄ちゃん!!彼女?!』
あたしの隣にいた三田君に、妹さんはすごい勢いで聞く。その勢いが三田君にうつったかのように、三田君も首を横に振り妹さんに答える。
『違うよ、違う違う!美鈴、挨拶!!』
『あ!こんにちは!妹の美鈴〈ミスズ〉です!』
「こ、こんにちは!と、突然お邪魔しちゃってごめんね」
あたしは緊張して、固い笑顔になる。さらに、言葉までぎこちなく、どもってしまっている。それとは反対に三田君の美鈴ちゃんは可愛く笑った。
『お姉ちゃん、お兄ちゃんの彼女じゃないのー?』
「ち、違うよ!三田君は先輩後輩の関係で」
『あ!じゃあお姉ちゃんまだ中学生なんだね!』


