――ガチャ
『ただいまー!』
三田君は家の扉を開けると、大きな声で言うのだった。玄関へと足を伸ばした三田君の後ろで、あたしは少しためらいを感じたが、ゆっくりと三田君の家へとお邪魔する。
『おかえりー!』
家の中から三田君に答えるように、女の子の声がした。たぶん、三田君の妹さんだろう。
三田君はそのまま家の中に入り、あたしの方を見て手招きした。
「お、お邪魔します」
『あれー?女の人の声だー!』
あたしが一言言って、靴を脱ぎ家へと上がると、奥の方から妹さんの声と、パタパタと足音が聞こえてきた。
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