でも、あたしもなんだかんだ嬉しくて、つい口元が緩んでしまう。すると、龍があたしの隣に寄ってきた。
『奇跡だってよ?』
「何よ?龍まで」
『俺等は、運命ってヤツだよな?』
あたしは一瞬で鳥肌が立つ。彼の余裕な笑みと、今言った問題発言に対して。
『…んだよ、ツレないやつー』
このこのーという感じに、あたしを肘でつつく龍。
「あんたが変なこと言うからでしょー?ちょっと引いちゃった」
『それ、ちょっとドキッとした、の間違いじゃね?』
「ほんと自信過剰よね」
『あ、それ褒め言葉?』
「バカじゃないの」
『バカじゃねーよ』
『お2人さーん!置いてくよー!』
言い合っているあたしたちに、光瑠君が前の方から声をかけてきた。みんなはいつの間にか、下駄箱の方へと足を向けていた。
『雅とクラス一緒になれて、俺は嬉しかったんだけど』
最後に彼はそう言って、歩き出した。
「そ、それはあたしもよ…」
あたしはポツリと龍に聞こえないように言って、龍の後を小走りで追いかけた。


