『みやちゃん、あさみぃ!おはよう!』

「……やっぱり」


手を振りながら登場したボブカットの女の子を目にして、あたしはため息をついた。彼女はそんなあたしの態度を気にせず、ニッコリとしている。


『みやちゃん、ため息なんかつくと、幸せ逃げて行っちゃうよ!ため息ダメ!』

「あんこちゃん…もう、逃げてるわよ」


そう、その彼女とはあんこちゃんである。

――あんこちゃんと、また同じクラスになるなんて…でも、まあいっか。これもこれで楽しそうだしね。

一人で考えていると、またあんこちゃんが話し出した。


『みんな大集合だね☆』

「え?みんな?」


あんこちゃんの明るい声に対して、あたしの頭の上にはハテナマークしか出ていなかった、と思う。