『ちょっと!龍?!アンタ何やってんのよッ』 母さんは、蜜の胸ぐらをつかんだ俺の手を、引き剥がすように離した。 『何?どうしたの!?』 『別にー』 ものすごく血相を変えた母さんに、蜜は、何もなかったかのようにそう言って顔をそむけた。その態度に、俺はまたむかついた。 俺はその場を離れて、ズカズカと部屋に行ったのだった。 ◆◆◆◆◆◆ ――コンコン 夜中。俺の部屋の扉を誰かがノックした。