『雅?ああ、あの小さい先輩のことか……別に何も言ってないけど。龍、なに怒ってんの?』

「は?何も言ってない?嘘つくんじゃねぇよ!」


俺は冷静を保っていられなくなり、ついカッとなって、蜜の胸ぐらを強く掴んだ。


『ただいまー』


その時丁度、母さんが帰ってきた。母さんはすぐに、リビングへと重たそうな袋を持ってやってきた。


――ボトッ


母さんの両腕にあった、買い物袋が重たい音をさせて、床へと落ちる。