「HRのとき、峰崎先生、龍のこと見てびっくりしてた」

『は?なんだよ、いきなり。雅の見間違いじゃねぇの?先生、そんな顔してたか?』

「うん……してた。龍、先生と知り合い?」

『……いや、ちげぇよ』


龍はそう言って、いつもと違う微笑をあたしに向ける。それは、苦笑いのように見えた。


――龍は嘘つきだ。


「嘘つき。隠さないでよ、なんで隠すのよ」

『雅?どうしたんだよ』

「本当は……幼馴染みなんでしょ?」

『雅それ、どうして』

「蜜君から聞いた」

『蜜?』

「うん」

『何で?』

「何でって、さっきまで一緒にいたから」

『蜜と2人で?』

「ううん、三田君も」


龍の表情がだんだん曇っていくのがわかった。でも、あたしだって、嘘をついた龍に、ショックを受けていた。