あたしたちは校舎の昇降口にたどり着いた。そこには、新しいクラスが書かれた紙が貼り出されていた。

もうすでに、たくさんの人で混み合っていて、なかなか見ようにも見えない。


『雅ー見える?』


背伸びをしながら見ているあたしに、声をかけるあさみん。


「見えない、まったく」

『私見えるかも!ん~~…あ!あった』


隣であさみんが、自分の名前を見つけたらしく、声を張り上げた。あたしも確認したくて、必死にジャンプした。が、やっぱり見えない。


『雅は~…あ、あったよ!E組!また一緒だよっ!』


あさみんはあたしの名前も見つけてくれた。あたしは嬉しくなって、あさみんの両腕をガシッと掴んだ。


「ホント!?」

『ホントホント~!』

「やった!また1年一緒だ…『あんこもーーッ!』


あたしがあさみんに笑顔で話しかけていると、誰かが遠くから遮ってきた。

――あれ?この声…どこかで聞いたことあるような…