『先輩、蜜!飛行機雲すげぇよ!!』 あたしの頭の中がフリーズしていた時、楽しそうに三田君が話しかけてきた。あたしには、それを構っている余裕なんかなかった。 『2人とも聞いてる?』 三田君は、ゆっくりとあたしたちのもとに近寄ってくる。 「あたし、行くね」 『あ、先輩!?』 あたしはそうとだけ言い残して、すぐさま立ち上がり、屋上から去って行った。 あたしのいなくなった屋上では、飛行機の音が、聞こえてきたに違いない―― ――龍にとって、峰崎先生の存在は……ただの幼馴染み、ではないんだ。