「屋上か~」
『え、先輩、屋上初めて来たんですか?』
あたしの言葉に反応するのは三田君だった。三田君はそう言うと、あたしの隣に腰を下ろす。
「だってここ、立ち入り禁止じゃない」
『先輩、まじめですね』
三田君は、ふふっと笑って、空を見上げた。すると、今度は神城蜜が口を開く。
『ねぇ、あんたさ、龍の彼女でしょ』
「……どういうタイミングで訊いてくるのよ」
神城蜜のタイミングの悪さに唖然とする。
『え!?龍って蜜の兄貴じゃん!』
空を見上げていたはずの三田君が、すぐに顔をこちらへと向ける。
「そうだけど、あんたたちには関係ないじゃない」
あたしは、そうとだけ答えて会話を終わらせる。


