『おい、龍!愛沙美ちゃんがそう言ってるんだがら、今は我慢しとけよ~』

「のわっ!おもっ!」


次の言葉を言いかけた瞬間に、後ろから光瑠が俺に覆いかぶさってきた。


「重いっての!光瑠、どけよ!」

『はいはい』


光瑠は二つ返事をすると、俺から離れる。


「雅、元気なかったみたいだけど」


俺は愛沙美ちゃんに尋ねるようにして声をかけた。


『うん、そうみたい。さっき神城君のこと見ながら、何か考えてたみたいなんだけど……それがよくわからなくて……。雅も何も言いたくないみたいだったし』

「俺を見ながら考え事?」


困った表情をした愛沙美ちゃんは、俺の言葉にうなづく。


――雅に、何があったんだよ。俺何かしたか?