「え?」 『話しかけなくていいの?』 「いいわよ」 あたしは、力の抜けた微笑をあんこちゃんに向けた。 「ほら早くいこ!入学式はじまるわよ!」 『みやちゃん…』 あたしたちは体育館へと足を急がせた。 ◆◆◆◆◆◆ 〈これより入学式を開会します――――〉 開会の言葉が体育館一体に広がる。 そして入場の言葉とともに、音楽が流れ始め、入場してくる新入生。どの子も着なれない真新しい制服を身につけ、緊張したように歩いてくるのだった。