【続】俺様甘甘王子様




『雅、よかったじゃん』


隣であさみんが、あたしの肩にポンと手を触れる。あたしは安心よりも、不思議な気持ちだった。


 
――どうして告白を断っていたの?その時、龍には誰か好きな人がいたのかしら。それとも、彼女?


考えてみれば、あたしは龍の過去の恋の話とか聞いたことがない。そりゃあ、今の彼女に元カノの話を、進んでするわけもないけど…。あたしからも聞いたこととかなかった。



『あ、雅。噂をすれば神城君いるよ?』

 

あさみんの目線の先を見ると、龍が光瑠君と話している姿が見えた。背が高く、整った顔がひと際目立つ龍。

あたしは龍のもとへは行かず、その場で立ち尽くした。



――元カノとか、いたのかな?


 
『どったの?みやちゃん』