『ちょっと、待てって!』


龍に腕をぐいっと引っ張られ、龍の腕の中へと引き寄せられる。あたしは彼の顔を見る、すると、彼は顔を真っ赤にしていた。


『恥ずかしいんだけど、雅怒るから、言う』

「……うん」

『俺さ、勉強して大学行って、就職して、自分で金稼いで……雅を……嫁にもらいたい。雅と結婚したい』

「え?!ちょっと、いきなりプロポーズ!?え!?」


龍の突然の発言に驚きを隠せないあたし。だって、いきなり結婚したいとか言い出すから。


『いや、これは俺の夢であって、まだ雅にプロポーズはしない。でも、近いうちにまたプロポーズすっから、待ってろ』

「……」

『なんだよ、なんか言えよ……!』


黙るあたしに、龍はそう言ったが、あたしは言葉よりも先に龍を力強く抱きしめていた。そして「待ってる」とただ、そう言ったのだった。