「だって、気になったんだもん。龍、最近勉強ばっかりだし」

『あ、かまってもらえなくて寂しいって?ごめんごめん』


龍はふにゃっと笑って、あたしの頭をポンポンと軽くたたく。


「そうじゃなくて。気になるじゃない、教えなさいよ」

『え……っと、それ今言う?』

「?」


龍は笑っていたかと思うと、恥ずかしそうに手で口元を覆った。


「言えないことなの?」

『いや、えっと……その』

「何よ、はっきりしないわね!もういいわよ!」

『あ、雅』


あたしは少し怒って、龍の先を早歩きで歩きだした。