俺は静かに龍の部屋を出ようとした。


『あ、蜜』

「なに」

『お前は結局どっちの味方だよ』

「ははっ、なんだよそれ」

『俺か、三田か』

「内緒」

『あ、おい!』


――バタン


龍の最後の質問に笑ってしまった。おかしな質問をするもんだ。どっちの味方か、とか。その質問には、正直答えたくない。これに関しては、ずっと”内緒”のままでしたいものだった。