「最近どうしたの。勉強ばっかして。母さんも驚いてる」

『なんだよ、そんなことかよ。そりゃあ、進学するためだっつの』

「進学?大学に?進路なんかどうでもいいとか言ってたじゃん」


俺の言葉に龍は右手にあったペンを置き、俺の方を向く。



『俺、やりたいことがあるんだ』



龍は真剣なまなざしでそう答えたのだった。


俺は思った。前の龍とは違う、と。別れてから、何かが変わったみたいだ。それは悪い方向に、ではない。いい方向に、だ。