――蜜 side――



今日も龍はまっすぐ家に帰ってきて、すぐに自分の部屋へと向かう。龍は今日もまた勉強をするらしい。


龍がこんなに勉強をしているのは、広佳の家庭教師以来だろうか。雅という彼女と別れてから、龍はずっとこんな感じだ。



「龍」



俺は、少しそんな龍が心配になって声をかける。



『ん?』



いつもの龍と変わらない声で俺に答える。しかし、ペンを持った右手は止まらずに、動いたままだった。