何も話さず黙って、黙々と作業をするあたし。


『ねぇ、逢坂さん』


先生もプリントをまとめながら、あたしに声をかけてきた。あたしは返事をせず、ただ目線を彼女へと移した。


『ごめんなさい、私のせいで』

「――!」



まさか、先生にそういわれるとは思ってもなかったから、思わずあたしは驚いてしまう。



『私あの日ね、彼氏とのことで少し気を落としていて、龍から電話が来て、彼を頼ってしまったの。本当にごめんなさい。でも、あのあとね、龍は私に喝を入れて、すぐ逢坂さんのもとへ走って戻って行ったわ。あのあと、会えた?』

「え?」



峰崎先生の言葉に戸惑ってしまう。


――あたしのとこに走って行った?何よそれ。