――数日後。


『せーんぱい』


昼休みにあたしの教室に、ひょっこりと顔を出しているのは見た三田君だった。三田君は、手であたしを招くように呼んだ。あたしはこの前のこともあったので、少し恥ずかしながらも、三田君のもとへ向かった。


「どうしたの?」

『今度一緒にプラネタリウム見に行きいませんか?』


三田君はそういって、プラネタリウムの鑑賞券を2枚ヒラヒラと手にもって、見せつけてきた。


「え?でも……」

『この前の借りを返すと思って!お願いします』


この前の借りというのは、胸を借りて泣いてしまったことだろう。それ以外にも、思い当たる借りは何個もあった。