『どっちにしろ、俺はあきらめねぇよ』


私が口を濁したのに、神城君は落ち込むことなどなく、むしろ真剣な表情をして、自分に言い聞かせるようにそう言った。私は、そんな彼に安心した。少し悪いことをしてしまったとは思ったけれど、神城君に変わらない想いがあることは、確かだったので、本当に安心した。


『じゃあ、俺先に帰るわ。ごめんね、お邪魔しちゃって』

『もう帰るの?』

『おう、じゃあな』

『うん』


神城君は、そう言って先に帰ってしまった。



『ねぇ、愛沙美ちゃん。さっきの少し意地悪だったんじゃない?』

「……そう、かな」



神城君がいなくなったあとに、光瑠君が私に話しかけてきた。光瑠君には、私のことがお見通しだったみたいで、嘘をついたことがバレバレだった。