あたしが隣で笑っていると、こっちに誰か走ってくるのが見える。


『先輩!』


三田君だった。三田君はそう言って、嬉しそうに笑った。


『来てたんですね!俺もがんばりますから、見ててください』

「え、うん」


あたしの返事に、また彼は嬉しそうに笑って、すぐにコートの中へと戻って行った。


『すっごいなつかれてるね』

「犬みたいよね」


彼が去った後に、あんこちゃんがあたしに話しかけてくる。


「あ、始まるわよ!」


あたしがそう言うと、ピーーっと笛が鳴って、試合が始まった。