『私にはわからないけど、でも雅がそうしたなら私は口出ししないよ。それから考えすぎもよくないからね、いつもの雅の悪い癖』

「あさみん……」


あたしにも、龍と距離を置くことが、一番の解決策だとかはわからなかった。それでも、あたしたちには、少し時間が必要だとも思った――。


それから数分して授業が始まる時間に近づいたため、あたしたちは教室へと戻った。あたしの前の席には、何も変わらない龍が座っていた。それでも、あたしたちは目も合うことなく、挨拶さえも交わさずに、時を過ごしたのだった。