『ははっ、何よそれ』

「話し合えよ。3年も付き合ってんだろ?そんな簡単に別れたりすんなよ。解決策はあるはずだって。本音言ったっていいんじゃねぇの?」

『私、まだ教師になったばっかだし、教師を続けたい』

「俺には言えんのな。それを今から、その彼氏に伝えればいいんじゃねぇの?何も言わないで黙ってるなんて、そんなの広佳じゃねぇよ」


俺は下ろしていた腰を上げ、立ち上がる。


『龍、ありがとう。……私、龍に頼ってばっかだね』

「何言ってんだよ、広佳は俺の幼馴染みだろ?それ以下でも、それ以上でもない。大事な幼馴染み。頼っていいんだっての」

『そうだね』

「じゃあ、広佳は彼にちゃんと伝えること。俺、そろそろ行くから」


そう言って俺は、歩き始めた。


「あ!それと、俺も進路考えたから!心配すんな!」


思い出したように、振り返り、広佳に大声で伝えた。その言葉に、広佳は安心したように、眩しい笑顔で笑った。その笑顔に手を振って、俺は走り出した。