「何年一緒だと思ってんの？」
『そうだよね……。龍の言う通り、彼とちょっとあってね』
「ちょっと、じゃねぇんだろ。広佳が泣くってことは、相当なことがあったんだな」
『付き合って3年になるんだけど、その彼がね、海外に転勤になったの』
「3年ってことは、やっぱずっと続いてるんじゃん」
『2年海外で働くんだって。だから、私と会う機会も少なくなる。でも、彼は、私と一緒にいたいって……私に、一緒に海外に行かないかって。勝手だよね。それで私、考えさせて、って言ったんだけど、ずっと返事してなくて……彼とも最近連絡とってなかったんだけど、昨日電話が来たの。「別れよう」って』
「広佳、なんで返事しねぇの」
『……それは……』
俺が聞くと、広佳は黙った。
「ちゃんと相手に言わなきゃ、伝わんねぇっての。広佳、あんま顔に出さないし、お前のことわかるの俺くらいだっての」
