――あ、やっぱり。


自分の予想が当たってしまったらしい。



「やだ」

『え?』

「行ってほしくない」

『心配なんだよ、広佳のことが。あいつ、泣いてたし』

「やだ、やだよ。龍、行かないで」

『広佳は大事な幼馴染みなんだ、ほっとけない。ごめんな、雅』



あたしの言葉を待たずに、彼はそう言って、走って行ってしまった。自分の飲み物を飲み乾さないまま。