「可愛い……ありがとう」

『お、おう』


少し大きなペンギンのぬいぐるみを抱きかかえて、あたしは龍にお礼を言った。


――ブーー、ブーー、ブーー


「龍、携帯鳴ってる」

『え?あ、ほんとだ』


そう言って龍は画面を確認した。


『ごめん、家からだわ』


あたしがうなづくと、龍は電話に出た。


『もしもし?……は?広佳?一緒じゃねぇけど……家には?携帯にもつながんねぇの?あー、わかった、俺からもかけてみる』


そう言って電話を切る龍。