『イルカショーまでは時間あるな。よし、ちょっと休憩しよっか。俺なんか飲み物買ってくるから、座って待ってて』
「あたしも行こうか?」
『これは俺の仕事だから、いいの』
あたしは近くのベンチに座り、龍は飲み物を買いに行ってしまった。
◆◆◆◆◆◆
――まだかなぁ……
数十分経ち、龍がまだ戻ってこないので、少し心配になるあたし。
「きゃっ」
後ろの方から、あたしの顔に少しふわっとしたものが当たり、驚いて声を上げた。
『ははっ!そんな驚かなくても』
「龍!!」
『ほらよ、雅ペンギーン』
そう言って、龍があたしに渡してきたものはペンギンのぬいぐるみだった。さっきの顔に当たったふわっとしたものの正体は、これだったのだ。


