「どこ行くか聞いてないんだけど」
『それはついてからのお楽しみ~、はい、じゃあここからバス乗ります』
「バスも久しぶり」
『お前どんだけ外出てねぇんだよ、これから毎日俺と出かけるか?』
「毎日なんて嫌、でも楽しそうね。ふふっ」
『お前その笑顔ずるい』
「……う、うるさい」
バスを待っている間に交わした会話に、少し照れていると、バスがやってきてあたしたちは、そのバスに乗った。
◆◆◆◆◆◆
『おい、雅。おいってば』
「……ん」
『お前、爆睡かよ』
バスの中でいつの間にか寝ていたあたしの、頭をポンっと叩いた龍は、「行くぞ」と言って、先に席を立ちあがる。あたしも、まだ寝ぼけながらも、龍の後ろをついて行った。


