――龍 side――
『ちょっと、神城君、いい?』
俺は広佳に呼び出されたため、彼女について行き、教室から少し離れた廊下へと移動する。
「何?」
『補習ちゃんと受けてくれないと困るのよ、それに龍の進路にだってかかわってくることだし、もう少しまじめに取り組んでもらわないと……』
「呼び出した理由、それだけかよ。広佳は、俺の親じゃねぇんだから、そこまで気にするなよな」
何を言いだすかと思えば、進路に向けてのことだった。
『あんたやればできる子だったじゃない、昔はちゃんと勉強してたのに「いつの話してんだよ」』
広佳の言葉を遮るように、低いトーンで俺が口をはさんだ。