高校3年となってから、毎日のように聞く”進路”というワード。


あたしはまだ考えていなかった。


『雅の進路?俺のお嫁さんだろ』

「ばっかじゃないの!?」

『バカじゃねぇよ、俺はいたって本気で言ってるけど』

『あははっ、龍君プロポーズとかやるね~~!』


あんこちゃんがそう言って笑う。


――プロポーズなんて早すぎるわよ、ってかしないわよ!


『そんな先のことより、まず夏休みだよね!!』


さっきまでケラケラ笑っていたあんこちゃんが、真剣な表情になって言いだす。