三田君にも「戻れ」といわれたが、あたしはまだその場に立ったままで、三田君に話しかける。


「白軍の加勢なんかして大丈夫なの?」

『きっとブーイングの嵐ですよね、ははっ』

「笑い事じゃないでしょ」

『こっそり戻りますよ、大丈夫ですって』

「そう?本当にありがとね、じゃああたし行くね」


あたしはもう一度お礼を言って、三田君よりも先に待機場所に戻った。あの時、三田君が来てくれて、本当に助かった。三田君が来てなかったら、どうなってたことやら……。


◆◆◆◆◆◆


そのあと、龍が自称サッカー部の人たちにあたしに謝れ、と言ったらしく、みんなが謝ってきて一件落着になった。三田君の件に関して、龍も今回ばかりは感謝していた。あさみんとあんこちゃんは、「詳細を詳しく聞かせて!」と言ってきたが、あたしはただ助けてもらった、とだけ答えて、その話を終わりにしたのだった。