『雅さん!俺が行きますよ!』 『いや、俺が!』 『僕もサッカー部です!!』 「ひぃ……」 恐怖のあまり思わず出てしまう声。どんどんと、前に出てくる自称サッカー部の人たち。それに逃げるように後ずさりしていたあたしは、だんだんと龍たちのいた待機場所から離れてしまう。 この中から誰でもいいから1人連れていけばいいのだけど、怖くて連れていけないあたし。 『先輩、こっち』 「…うわっ!!」 困っていたら、後ろから手を引っ張られた。そのまま、あたしの手をぎゅっと握り、ゴールへと走る目の前の彼。