「龍、緊張してると思って」
『俺が緊張?するわけねぇだろ~って言いたいとこだけど、今回はやばい、無理かも』
そう言って、ふにゃっと笑った龍は、そのまま腰を下ろしてしまう。あたしも、龍の目線に合わせようと、しゃがみこんだ。
「何よ、いつもの龍らしくないじゃない」
『いつものってなんだよ』
「俺様主義で自己中心、いつも自信にあふれてる。それがあんたでしょ」
『ひっでぇな、まあだいたいあってるけど、な。……あ、ちょっと来て」
「え?」
すくっと立ち上がった龍に、あたしは手を引かれ、立ち上がる。そのまま、龍はあたしの手を引っ張ったまま、屋上へと上がる階段へ歩き続けた。


