『どう、雅』


そんなみんなの様子を静かに見ていたあたしに、龍が両手を組みながら話しかけてきた。


「昔のヤンキーみたい」

『うるせぇ!当日はバシッと決めてくるから見とけよ』


あたしは、龍の学ランの前が全開なせいか、本当に昔のヤンキーのように見えて、少し笑ってしまう。


「当日が見ものだわ」

『雅、惚れ直すから絶対』

「うん」


少しムキになっている龍が可愛らしく見えて、無意識のうちに微笑んで頷いていたあたし。それを見た龍は、少し驚き、照れだしたのか、顔をあたしの方には向けずに、黙ってあたしの頭をなでてきた。