『ちょっとお二人さん、ここ教室だからね!』

「うわっ!光瑠君!!」


そこへ、さっきまで幹部の人たちと仲良さげに話していた光瑠くんが現れる。


『なんだよ光瑠!邪魔すんなよ!』

『団長~~そういうのは、他でやってよ!』

「そ、そうよ!龍!場所をわきまえなさいよね!ほらっ、両腕広げて!」


あたしはすぐに気を取り直し、龍からパッと離れて、採寸を再開をした。その姿が本当に速かったらしく、光瑠くんは「ははっ」と笑って、あたしを見ていたのだった。


「終わり!じゃあ、あたし被服室戻るね!」


そう言って、あたしは教室を出ようとする。すると、龍があたしを呼び止める。


『あ、雅!今日俺遅くまで残るから、先帰ってて!ごめんな!明日の朝、一緒に登校な』

「はいはい……って、明日の朝?!」

『今、返事したな。絶対な』


うかつに返事をしてしまったことに後悔したあたしだった。