「あんこちゃん!ほかにあたしにできることってある?」
『あ、じゃあ龍君の採寸お願いできる?』
「採寸?それならこの前したじゃない」
衣装の採寸はおとといくらいに、幹部の全員まとめてやったはず。それなのに、どうして龍の採寸をしてこいと、あんこちゃんは言うのだろう、とあたしは不思議に思った。
「それに、龍、最近忙しそうだし。今だって採寸する余裕ないかも……」
『あ~もう!この前測ったときので、型紙作ったら、少し小さいんじゃないかなって思って、もしかしたら採寸間違えたのかも!だから、行ってきて!』
「えっ!?うそっ!?」
『ほんと~~!だから、ほら!早く!』
――採寸間違え!?それは大変だ!
あたしは、すぐに被服室をあとにし、走って龍のいる教室に向かった。


