『なあ、雅』


ぼーっと話を聞いていたあたしに、声をかけてきたのは前の席の龍だった。あたしは、机に肘をついた状態で、龍のことを見る。


「なによ」

『雅、何やる?』

「あたし?あたしは一般」

『最後だってのに、なんもしねぇのかよ』

「だいたい幹部は男子で固まるのよ。龍こそ最後なんだから、大きい役割やりなさいよ。たとえば団長とか」

『はあ?!めんどくせぇ!!誰がやるかよ!』

「ちょっ……声大きい」


あたしが言ったときには、もうすでに時遅し。クラス全員の目線が、大声を出した龍に向かった。


『神城君、立候補?』


すると、峰崎先生が龍に向かって、聞いてくる。