「何?」
『聞きたいことがあるんだけど』
そう言った蜜は、俺の前の席に座って腕を組み始めた。そして俺のことを見ながら、話をまた始める。
『お前さ、あの女に惚れてるんだろ?』
「え?あの女って??」
『逢坂雅』
「あ~先輩ね……うん、そうだね……」
俺はハッキリと答えることができない。それでも、俺は息を一息ついて、もう一度口を開く。
「俺ってさ、あんまり恋とかよくわからないんだけど、先輩のことは可愛いって思う」
『中学の時は、部活に家事に忙しかったもんな遥翔』
「それに、先輩には彼氏がいるし」
『その彼氏にすごいこと言ったの誰だよ』
「そ、それは……俺だけど……けどさ……」
俺はまた言葉を濁す。それは、本当になぜあの時、先輩の彼氏に向かってあんなことを言ったか自分自身わかっていなかったから。いや、それは嘘かもしれない。俺は先輩を守りたかった。