--遥翔 side--
俺は何度も先輩の笑顔を思い出す。初めて会ったときは、本当に背の小さい人で、それなのに声が大きくて堂々としていて、可愛らしいと思った。
でも、先輩は本当に正直な人で、感情がすぐに顔に出てしまう。嘘をつくことはあまり得意じゃないみたいで、人のことをよく気に掛ける。
ずっと前に夕飯を誘ったのは、本当に偶然スーパーで会ったからであって、俺には下心というものは一切なかったのを覚えている――。屋上でのときは、名前を聞きそびれたけど、妹に名前を言っているのを聞いて、そこで初めて名前を知ったんだった。
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『遥翔』
先輩たちとファストフード店で話した日の翌日。昼休みになると、蜜が俺のもとへとやってきた。


