――龍 side――
雅に、広佳のことを聞かれたとき、やっぱり少し怖かった。過去は過去だとしても、これを聞いて雅がどう思うだろうか、不安だった。それでも、雅は真剣に聞いてくれて、逆に礼を言ってきたのだ。
いずれは言わなければならないと思ってて、それでもタイミングがうまくつかめなかった。だけど、雅の”ヤキモチ”という言葉を聞いて、なんとなく察していた。このままじゃ、ダメなんだって。
雅の方から、話す機会を設けてくれて、申し訳ないとも思ってしまった。でも、話をすることができてよかった。雅にも複雑な気持ちが少しあるかもしれないけど、これからそんな不安な気持ちは俺が消してやればいい。
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公園で話した後、俺は雅のことを家まで送った。雅の家に着くと「じゃあね」とだけ言って、雅は家に入ろうとした。
「雅」
そんな雅を呼び、引き留める俺。雅は扉に手をかけながら振り返る。
「俺……『何よ、暗い顔して』」
俺が口を開いたのにも関わらず、雅が遮ってきた。
