そのあと、あたしと龍は手を繋いで帰った。さっきまで少し冷たかった龍の手は、ほんのりと温かくなっていた。
『あ、てか、雅』
歩いている途中に、何かを思い出したかのように口を開いた龍。
「何よ」
『あの三田、やっぱり雅に惚れてると思う』
「龍まで何?!」
『俺まで?ほかの誰かにも言われたのか?』
「蜜君よ」
『蜜?!またあいつかよ』
「ほんとそっくり」
『うるせぇ。三田ってやつが雅奪おうとしても、絶対に俺は雅のこと離さねぇから』
「そ、そんなわけあるわけないじゃない!」
『雅は本当にわかってない』
「な、なんですって?!」
あたしと龍の言い合いは、あたしの家に着くまでずっと続いていた。あたしは嬉しかった、龍の”離さない”という言葉に……。


