コンビニから少し離れた距離で止まるあたしと三田君、あたしはすごい勢いで走ったために、息を切らしている。三田君はあまり息を切らしていないようで、ちっとも焦った様子はなく、冷静だった。

龍たちから逃げたあたし。そして、あたしは三田君を巻き込んでしまった。それなのに、三田君はあたしを怒ろうとはしなかった。あたしはそのことに対して、三田君に問う。


「……はぁ、はぁ……。……どうして、怒らないの?」

『え?』

「勝手に手を引っ張って、勝手に巻き込んじゃって…なのに、それなのにどうして、三田君は怒ったりしないの?!」

『正直、嬉しかったです。……怒る理由なんてないです』


あたしはそう言った三田君の顔を見て、真剣だってすぐにわかった。三田君の瞳は、まっすぐとあたしのことをとらえている。そのまま三田君は、話を続けた。


『俺は嘘ついたのに、先輩は正直に本当のこと話してくれて……』

「それは…」

『嬉しかったです』

「でも、私は逃げたじゃない。正直なことを言っても、ダメだったわね」

『……先輩、落ち込まないでください』