あたしの目の前にいるのは、間違いなく龍で、その隣にいるのは峰崎先生だった。


『雅!』


龍はすぐにあたしの名前を呼んだ。あたしは、思わず黙ってしまう。


『…あ』


三田君も気づいた様子で、少しだけ声を漏らした。


『何、してんだよ?』


龍は、あたしと三田君を見て、いつもよりも低い声であたしに聞いてきた。


「ちょっと飲み物を買いに」

『そうじゃなくて、なんでこんな夜に俺の知らない男といるんだ、って聞いてんだよ』

「………」


あたしは黙ったまま、下唇をかみしめた。


『た、たまたまコンビニで会ったんですよ!ね、先輩!』


すると、三田君があたしをかばうように、必死に嘘をついた。


――あたしは、三田君とのことを隠したいわけじゃないの。三田君にそんな嘘をつかせたいわけじゃないの。違う……違うのに。