――夜8時頃、三田君の家で夕飯をご馳走になったあたしは、三田君に家まで送ってもらっている最中だった。


「ごめんね、夕飯ご馳走になったうえ、送ってもらっちゃって」

『全然大丈夫です、むしろ美鈴も喜んでたので、また来てください』


2人で会話をしながら、電灯がポツポツ光る道を歩く。


「美鈴ちゃん可愛かったな~」

『そうっすか?生意気言ってますよ、まだ中学生なのに』

「中学生ってもう何でも知ってるのよね」

『あぁ思春期ー』

「ふふっ、三田君それ面白いやめて」


三田君が歌うようにしゃべるから、ついつい笑ってしまうあたし。その笑い声が少し静かな夜に響いてしまう。


『先輩、しーっ!夜ですよ!』

「そうだった、ごめんごめん」


あたしはすぐに大声をあげていた自分の口を、手でふさいだ。三田君は、まだ口もとで人差し指を立てている。


「わかってるわよ!」

『ははっ先輩可愛いー!』

「……ったく」