俺は広佳の言葉に何も言えなかった。その通りだったから。何も言わず、黙っていることしかできなかった。 広佳がどうして泣いてるのか、理由がわからないから。 今と昔は違う。違うんだ。 俺はもう好きじゃない。 広佳のことは好きじゃない。 確かな感情だった。 広佳だって、俺のことは好きじゃないはずなんだ。 ――それなのにどうして、彼女はこんな言葉を言い、俺の隣で泣いているのだろうか。