『お願い!いこー!』
「お前酒飲んでねェよな?」
『うん、飲んでないよ!』
お酒を飲んだみたいに、酔っ払ってんのか?と思うほどの広佳。俺には暗くて顔も見えない。電灯も意味がない。今、広佳はどんな気持ちでコンビニに行こうと言いだしたのかが気になってしょうがなかった。
『で?彼女さん可愛いのー?』
「何でお前に言わなきゃなんねェんだよ」
『幼馴染みでしょー!』
「こんなときに、それ言うのなし」
『えー!だって気になるんだもん!』
「いいの、秘密」
『龍って最後に会った時より、背伸びたね。声も大人びてさー』
「俺だって成長するに決まってんだろ」
『うん、そうなんだね。なんか変なの』
ふふっと小さく笑った広佳。
『私のコトももう好きじゃないのか』
そう言われた瞬間に、俺の中の何かが引っ掛かった。昔の…過去のことなのに、もう忘れていたのに、また思い出してしまうんだ。何度も何度も繰り返される、過去の記憶。


