夕食も食べ終わり、みんなそれぞれに別な事をしていた。母さんも後片付けが終わり、リビングで腰をおろし、雑誌を読んでいた。
『冷たいな、龍は』
「冷たくなんかねぇよ」
『蜜は可愛いのに!ねー?蜜』
『いや、可愛くない』
『蜜まで、龍に似たのね!』
俺と蜜はテレビを見ながら、うるさい広佳に話しかけられていた。
『ちょっとあんたたち広佳ちゃんとお話したかったんじゃないの?』
「はぁ?誰がこんなのと」
『だって前なんか広佳ちゃん広佳ちゃんって、離れなかったくせにー』
『あーそれ龍だ』
蜜が俺を指差す。急に恥ずかしくなり、俺の顔が熱くなる。それでも、俺は強気な口調で母さんに問うのだった。
「いつの頃の話だよ!」
『んー小学生?』
「ガキじゃねぇか!」


